拡大新生児マススクリーニング検査

病気の早期発見のために、症状の現れていない人に対して行われる検査をスクリーニング検査といいます。京都市では、早期治療によって障害の発生を未然に防ぐことができる20疾患を対象とした「先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)」を新生児に実施しています。足立病院では、さらに追加の疾患を対象にした「拡大新生児マススクリーニング検査」を受けることができます。

検査 足立病院での料金
先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査) \3,500
拡大新生児マススクリーニング検査 \15,000

拡大新生児マススクリーニング検査とは

従来の新生児マススクリーニング検査は、厚生労働省の通知にもとづいて各自治体が主体となって実施されている公的事業です。対象疾患は先天性代謝異常症をふくむ20疾患です。京都市では、検査費用の一部は市の負担で受けることができます(自己負担額 ¥3,500)。

一方、拡大新生児マススクリーニング検査は、従来のスクリーニング検査に含まれない疾患を対象にした検査です。検査費用は自己負担となります。

拡大新生児マススクリーニング検査が対象とする疾患

疾患 説明
重症複合免疫不全症(SCID) 生まれつきの免疫の異常により、病原体から体を守ることができず、感染症を繰り返し死亡することもある病気です。命にもかかわる疾患ですが、早く見つけて、骨髄移植などの治療を受ければ、健康に生きられる可能性が高まります。
脊髄性筋萎縮(SMA) 遺伝子の欠失などによって、運動神経が十分に機能せず、筋力低下や筋肉が萎縮し、全身の力が徐々に弱くなる病気です。重症の場合、赤ちゃんのうちに運動発達が止まり次第に寝たきりとなり、食事や呼吸ができなくなります。出生後可能な限り早期に遺伝子診断をして、治療を開始することが極めて重要です
ライソゾーム(LSD) tdライソゾーム(LSD) 細胞の中の「ライソゾーム」でいらなくなった物質を分解する酵素の働きが低下し、分解されるべき物質が細胞内にとどまる病気の総称です。本検査では、ポンぺ病、ムコ多糖症Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅳ型、Ⅵ型、Ⅶ型の6種類の病気を検査します。
ポンぺ病

ポンぺ病 先天的に筋肉の障害をきたすため、最重症の「乳児型」では乳児期から人工呼吸器が必要となったり、心不全のため死に至ることもある重篤な疾患です。
マススクリーニングで発見し、すぐに治療を開始すれば病気の進行を止めるか、あるいは遅らせられることが知られています。

ムコ多糖症Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅳ型、Ⅵ型、Ⅶ型 全身に「ムコ多糖」という異常物質が蓄積することで、中耳炎、関節拘縮、特異顔貌、白内障、呼吸障害、心臓弁症、成長発達障害などをきたす進行性の疾患です。
早期に発見して酸素補充療法や骨髄移植を行うことで症状の進行を止められることがわかっています。

検査の流れ

従来の新生児マススクリーニング検査と同時に赤ちゃんの足底から数滴の採血を行い、検査機関に送られます。結果は2~3週間後に当院に郵送され、1か月健診の際に結果を通知いたします。正確な判断ができなかった場合には再検査となります。また、病気の疑いがある場合には「精密検査」によって診断を行うことになります。

FAQ

赤ちゃんにはどのような負担がありますか?

赤ちゃんの足底から数滴の血液を採取します。採血量はわずかなので、ほとんど負担はありません。従来の新生児マススクリーニング検査と同時に採血しますので、余計な負担はありません。

拡大新生児マススクリーニング検査は必ず受けないといけませんか

拡大新生児マススクリーニング検査は任意の検査ですので、強制される検査ではありません。

検査をしなくても、病気は病院ですぐわかるのではないですか?

先天性代謝異常疾患は、成長に従ってだんだん症状が現れることが多くなっています。生まれてすぐの赤ちゃんには症状がみられませんので、検査による早期発見が重要です。

検査の結果が陽性なら病気を持っているということですか?

新生児マススクリーニング検査だけでは病気かどうかはわかりません。本検査は、病気が「疑われる」新生児を発見することを目的としています。陽性の場合、専門の医師による精密検査によって病気かどうか診断が必要になります。