烏丸御池駅 徒歩2分

生殖補助医療(ART)Assisted Reproductive Technology

生殖補助医療(ART)とは
体外受精-胚移植(IVF-ET)顕微授精(ICSI)凍結融解胚移植
などの医療技術の総称です。

体外受精・胚移植とは?

卵子を体外に取り出し(採卵)、精子をふりかける(媒精)ことにより得られた受精卵(胚)を、数日間培養した後に子宮の中に戻す(胚移植)方法です。

顕微授精とは?

1個の精子を卵子の中に細い針で人工的に注入する方法です。精子数が少ない場合や、運動率が低い場合、精子と卵子の受精が自然に起こらない場合(受精障害など)に用いられます。

凍結融解胚移植とは?

体外受精や顕微授精で得られた胚を凍結保存し、融解後に胚移植する方法です。
胚は凍結することにより、長期的に保存することが可能です(ただし保存期間には一定の制限を設けています)。凍結融解胚移植を行うことにより、複数個の受精卵が得られた場合に効率的で無駄のない治療が可能になります。また、妊娠に適した時期を選んで移植したり、採卵後のような身体的負担が大きな時期の移植を避けたりすることができます。

生殖補助医療(ART)による治療が望ましい場合

1

精子と卵子が出会えない場合

卵管が詰まっている様な場合や、高度の男性不妊(精子数が少ない、運動率が低い)、女性に精子の動きを止めてしまうような免疫(抗精子抗体)があるような場合です。

2

原因不明の長期不妊

検査で特に異常が指摘されていないにもかかわらず、タイミング法や人工授精(AIH)による治療で長期間妊娠できないような場合です。このようなケースでは、一般的な検査では調べることができない原因である、ピックアップ障害(卵管が卵子を吸い上げる)、受精障害(精子と卵子の受精が起こらない)、卵子や受精卵の質の低下、着床障害(子宮に受精卵が着床しない)などの原因が隠れている可能性があります。以上の不妊原因は体外受精を行うことでしか診断がつきません。

3

体外受精の方が一般治療よりも身体への負担が少ない場合

排卵障害の強い多嚢胞性卵巣症候群では、排卵を適切にコントロールするのが非常に難しいことがあります。このような場合、体外受精が身体への負担が少なく短期間での妊娠が期待できるため、最適な治療法となります。

4

早く妊娠を希望する場合、早く妊娠した方がいい場合

高年齢や、卵巣機能の低下により、早期の妊娠が望ましい場合。また、社会的事情などから治療を急ぐ場合も体外受精はベストな治療法であると考えられます。

ART(体外受精)の
7つのステップ

ART(体外受精)は以下のような順に沿って行います。患者様のご希望を尊重した上で、その周期に応じたベストな治療内容で進めていきます。

卵巣刺激

採卵で多くの卵子を回収できるよう、月経3日目から排卵誘発剤(注射薬・内服薬)を使います。 毎日の通院が難しい方に、当院では注射の方法を覚えてご自宅で注射をしていただけるよう自己注射教室を開催しております。

自己注射の動画はこちら

採卵

卵胞が充分に育ったら超音波で確認しながら、卵胞内の卵子を回収します。 採卵時は静脈麻酔(鎮痛剤と鎮静剤を点滴から投与)を用い充分に痛みを取ります。

受精

卵子と精子を受精させます。
受精させる方法には、卵子の周囲に精子をふりかけることにより、自然な受精成立を目指す従来法と、精子1個を細い針で卵子内に人工的に注入する顕微授精があります。

胚培養

受精が成立したかどうかを確認し、その後胚(受精卵)の発育を観察します。 体外受精・顕微授精などで得られた受精卵は、専用の培養液で培養を進めていきます。
受精卵は細胞分裂をはじめると「胚」と呼ばれ、通常移植されるのは受精から2~3日後、もしくは5日目になります。その期間、胚は専用の培養器の中で大切に育てられます。

当院では胚に優しい最新型培養器「EmbryoScope +®︎」を用いています。

胚凍結

発育した胚を凍結保存します。凍結した胚は患者さまのコンディションが整った時に融かして移植します。

胚凍結を行うのはどんな時?
1.受精卵(胚)が複数個できた場合
2.採卵直後に移植することが望ましくない場合
(子宮内膜・卵巣の状態がよくない場合)

胚移植(ET)

超音波で確認しながら細いチューブを用いて、胚を子宮内に戻します。

胚移植のバリエーション
レーザー孵化補助法
胚の透明帯(殻にあたる部分)をうまく破れず孵化(ハッチング)ができないケースがあります。胚に影響を及ぼさないレーザーで透明帯をあらかじめ削り孵化を助けることにより確実な着床を目指します。

ヒアルロン酸含有培養液注入
胚と子宮内膜の接着を促進するヒアルロン酸が高濃度含まれている培養液と共に移植します。

2段階胚移植法
胚盤胞移植の2~3日前にあらかじめ凍結保存していた初期胚を子宮内腔に移植することにより子宮内膜を刺激し、胚盤胞の着床を促進させます。

SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)
胚盤胞を凍結保存する際に、胚培養に使用していた培養液の一部(SEET液)を同時に保存しておきます。胚移植の2〜3日前にSEET液を子宮内腔に注入することにより子宮内膜を刺激し胚の着床を促進させます。

SEG法
GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)を胚盤胞移植の3~4日前に子宮内腔に注入することでSEET液と同じく子宮内膜を刺激し着床促進効果を期待する方法です。

妊娠判定

胚移植から約2週間後に尿検査や血液検査にて判定します。

~胚にやさしい培養器「EmbryoScope +®︎」をいちはやく全患者さまに~

当センターでは、最新型の胚培養器(インキュベータ)である「EmbryoScope +®︎」を導入。受精卵(胚)の発育にとって理想的な、お母さんの子宮の中の環境を再現した胚培養器(インキュベータ)の中で、全患者様の受精卵(胚)をやさしく見守り育てています。

タイムラプスシステムについて

内蔵カメラと顕微鏡を備えた胚培養器(インキュベータ)の中で、15分毎に撮影した画像をつないで動画のように観察できる技術です。これにより胚培養器(インキュベータ)から受精卵(胚)を取り出さずに発育状況の観察を行うことができます。

タイムラプス培養のメリット
胚への負担が抑えられる!

従来の胚培養器(インキュベータ)では、胚の発育状況を観察するため胚培養器(インキュベータ)から外に取り出し、顕微鏡下で観察する必要がありました。しかし、胚にとって空気中にさらされるというのは、環境の整った胚培養器(インキュベータ)内とは異なり、様々なストレス(O2・紫外線・温度変化など)がかかってしまいます。
「EmbryoScope +®︎」では、胚を培養器から出すことなく、内蔵カメラで経時的にいつでも観察できるので、胚へのストレスを最小限に抑えることができます。また、形態的評価に加えて発育スピードなども搭載AIが客観的かつ総合的に評価するため、詳細で正確な胚の情報の提供が可能となりました。これにより良質胚の増加が期待できます。

胚培養の様子

副作用・リスクについて

卵巣刺激で使用する排卵誘発剤や採卵時の卵胞穿刺など、体外受精の行程ではいくつかの副作用やリスクが考えられます。 こうした問題が出ないよう足立病院では細心の注意を払って治療を行っています。 万一の場合も適切な対処を行って、患者様の早期回復に努めます。

1

多胎妊娠

1個の胚移植であっても双胎妊娠となる可能性が、通常妊娠よりわずかに高くなります。(一卵性双胎)

2

採卵による感染・出血

非常に稀ですが卵巣への感染や、腹腔内出血が起こり治療を要する場合があります。

3

異所性妊娠

いわゆる子宮外妊娠のことです。体外受精-胚移植法では通常の妊娠に比べ異所性妊娠の発生率がわずかに高くなります。

4

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

排卵誘発剤の使用により発生する副作用です。排卵誘発剤によりたくさんの卵胞が発育すると、多量のエストロゲン(女性ホルモン)が分泌されることにより引き起こされます。 主な症状は、卵巣腫大による腹痛、腹水による腹部膨満感や消化器症状(嘔気、下痢)です。

~ご安心ください~
万全のサポート体制

当院では、採卵後の状態を厳重にフォローアップさせていただいております。 身体を動かすと響くような痛みがある、尿量の減少、息苦しさなどが増強している場合は、次回診察日を待たずに受診していただくようお願いしております。 また重症化予防のための内服薬処方や、症状悪化が心配な場合は24時間いつでもご相談ください。

足立病院生殖医療センター

烏丸御池駅より徒歩2分
(電車からのご来院が大変便利です)

所在地

〒604-0837 京都市中京区東洞院通り二条下ル

アクセス

電車でご来院の方

京都市営地下鉄・烏丸御池駅下車

車でご来院の方

東洞院通りを南下してください。