発達外来

当院の発達外来

発達外来発達外来とは、お子様の行動や発達上の問題、また各種疾患に対して診療を行う科です。
2~15歳程度のお子様のうち、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症などの神経発達障害があるお子様を専門的に診させていただきます。

発達外来で診療する疾患

筋疾患

お子様で起こる筋疾患には様々なものがあり、運動機能の発達の遅れ、走れないなどの症状が現れます。
筋炎の場合、上気道炎を合併して骨格筋での痛み、力が入らなくなるなどの症状が現れます。

重症筋無力症

幼児期以降にみられる疾患で、瞼が挙げられなくなる「眼筋型」と、全身が疲れやすくなる「全身型」に分けられます。

神経変性疾患

「これまでできていたことが、だんだんできなくなってきた」という場合には、神経変性疾患が疑われ、精密検査が必要になります。

脊髄炎

急に歩行できなくなる、下半身に力が入らない、下半身の感覚異常など症状がみられます。

末梢神経炎

末梢神経炎のうち、お子様にみられるものは「ギランバレー症候群」と言い、下半身が動かなくなる・力が入らなくなる、歩行がおかしくなるなどの症状が現れます。緊急性が高く、すぐに受診が必要です。

ADEM(急性散在性脳脊髄炎)

発熱のほか、頭痛や意識障害など様々な症状が現れます。
緊急性が高く、すぐに受診が必要です。

急性小脳失調症

幼児期に多くみられる疾患で、歩行困難、歩行時のふらつき、座れない、言語障害などの症状が現れます。
緊急性が高く、すぐに受診が必要です。

発達の問題

運動発達の遅れ

運動機能の発達には個人差がありますが、健康診断などで「発達が遅れている」「発達の遅れの可能性がある」と指摘された場合には、一度当院へご相談ください。

精神発達の遅れ

精神発達の遅れで最も問題になるのが、言語の発達です。
2歳になっても意味のある言葉を話さない、また視線が合わないなどの異変がある時は、精神発達の遅れが疑われます。

視力・聴力の発達の問題

乳児期の弱視では、「明るいライトをじっと見ている」「目の動きがおかしい」などの症状が現れます。
聴力に問題がある場合には、言語発達の遅れが生じます。

多動

お子様の多くは多動の傾向にありますが、保護者の方が注意しても改善されず、注意することに疲れ切ってしまうようであれば、一度、医療機関へご相談いただくことをおすすめします。

行動上の問題

発達上の問題により、衝動的な行動を繰り返す、新しい環境に馴染めない、パニック状態になる、奇声を上げるなどの行動を起こすことがあります。
決してしつけの問題ではありませんので、一度医療機関へご相談いただくことをおすすめします。

チック

チックとは、頻繁に細かい瞬きを繰り返す、肩をすくめる、何度も咳をする、声を出すなど、様々な症状を起こす疾患です。
女子よりも男子に多くみられる傾向にあります。

発達障がい

発達の遅れや偏りなどにより、発達途上で生じる問題のことを「発達障がい」と言います。
どのような問題であれ、保護者の方が「育てにくい」とお感じになられたのなら、一度医師へ相談してみましょう。

知的な発達の遅れ

様々な疾患が原因で知的発達の遅れが起こる場合がありますので、まずは一度ご相談ください。

学習障がい

文字の読み書きや算数などの学習ができない場合、学習障がいの可能性があります。
発達検査を行って、まずはどういう問題があるか正確に把握し、問題解決に向けて方針を立てます。

自閉症スペクトラム障がい

自閉症スペクトラム障がいには、知的発達は問題がないタイプ、社会性発達だけに問題が生じているアスペルガー障がいタイプなど、様々なタイプがあります。
多動が目立つ、運動機能の発達の遅れが目立つ場合、また保護者の方が育てにくさをお感じの際などには、一度医療機関へご相談ください。

注意欠陥多動性障害

全学童の5%にみられると言われていて、不注意や衝動性、多動などの症状により様々な問題を引き起こすことがあります。
適切な診査・診断を行った後、必要に応じてお薬を使って治療します。

精神神経学的な問題

睡眠障害

乳児期の睡眠パターンに問題があると、学童期以降にも問題が生じることがあります。
発達障害に合併して睡眠障害が起こることもあります。

強度の不安

発達障害に合併することもありますが、思春期以降に単独で出現することもあります。不登校の背景に社会不安などさまざまな強い不安があることが少なくありません。

不登校

どのような原因で不登校に至るのか、個々のケースを確認することが大事です。
不登校に至るまでの経緯をまとめたメモなどをご持参いただいて、まずは一度ご相談ください。

強迫症状

強迫症状とは、本人の意志とは無関係にしたくないことをせざる得ない衝動に駆られる状態のことを言います。
怒っても改善されず、お子様を苦しめるだけとなりますので、医療機関で適切な診断・治療を受けるようにしましょう。

その他の疾患

遺尿症

夜間だけでなく、昼間にもおしっこを漏らすのが遺尿症です。
おしっこを我慢しすぎている、膀胱が緊張状態にあるなど、様々な原因が考えられます。

遺糞症

いつも少し便が漏れている状態で、便秘の場合、トイレ環境の問題が原因となっている場合もあります。

発達障害の検査

発達障害の検査問診・診察を行った後、スクリーニング検査、評価・診断の検査、知機能検査などの検査を行います。

発達障害の診断

上記の検査結果をもとに、医師が総合的に判断して発達障害であるかどうか診断します。
インターネットなどで調べて「発達障害かもしれない」と不安になられても、別の疾患の可能性もありますので、医療機関できちんと検査・診断を受けるようにしましょう。

発達障害の治療

発達障害は脳が生まれ持って持つ機能の“特徴”と言え、治療内容はそれを“治す”のではなく、普段の生活をその特徴に“合わせていく”ことが中心となります。
例えば、注意欠如・多動症(ADHD)であれば、言われたことを忘れないように小まめにメモを取ったりすることがそれにあたります。

治療の流れ

Step1.問診

保護者の方から発達状況について詳しくおうかがいします。

Step2.診察

医師が診察を行い、必要に応じて各種検査を行います。

Step3.検査

スクリーニング検査、評価・診断の検査、知機能検査などの検査を行います。

Step4.診断・治療方針の説明

保護者の方へ診断結果をお伝えし、それをもとに今後の治療方針をご説明いたします。