診療のご案内

治療方針

当センターでは平成15年に不妊治療センターとして発足して以来、診療理念を掲げ以下の治療方針の基に不妊症でお困りの方に対して診療を行って参りました。私たちの不妊治療に対する考え方をご理解いただき、少しでも多くの方々が当センターに足を運んでいただければ幸いです。

足立病院の不妊治療への今後の取り組み

不妊治療の最終目標はただ妊娠することではなく安全なお産、健康な新生児を得ることにあります

治療後の妊娠出産を見据えた生殖医療が当センターの特長です

当センターは独立した不妊専門クリニックではなく分娩が主体業務である足立病院の付属施設です。このため当センターで妊娠された方の約4割がそのまま引き続き当院産科にて妊娠管理を受けたのちお産に臨まれます。
当センターで診療に携わっております医師はセンター長を含め全員が帝王切開を含む分娩にも立ち会っております。このためわれわれの診療は単に患者様に妊娠していただくことを目指しているのではなく、患者様が妊娠成立後も正常な妊娠経過をおくることができ、最終的に安全な出産ができることを最終目標にしております。
子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症等の妊娠予後に対する影響の評価、内科医による成人病・内分泌疾患の治療など妊娠経過に悪い影響を及ぼす体質の改善、栄養指導や生活指導など不妊治療後の妊娠出産を見据えた生殖医療を目標にしているのが当センターの特長です。

不妊治療では診療利益を追求しません

われわれの不妊治療の目的はお産の数を増やすことです

不妊治療センターを開設した平成15年当時の足立病院の年間出産件数は現在の約半数程度でまだ充分ではありませんでした。われわれが当初目指した目標は不妊治療で収益をあげることではなく、妊娠した方を増やし当時まだ十分ではなかった足立病院のお産の数を自施設内で増やすことでした。
「病院で取り扱うお産を増やすために不妊治療の成績向上を目指し精進しよう。不妊症治療を行っている方々に対しては利益を追求しないようにしよう(分娩収入がふえるのだから)。」という発足当時の理念は現在でも変わっておりません。
現在、足立病院におきましては恐縮ではございますが毎月の分娩制限を行っております。現状を踏まえて上記の理念を書き換えてみますと「京都、近畿そして日本のお産を増やすために不妊治療の成績向上を目指し精進しよう。不妊症治療を行っている方々に対しては診療利益を追求しないようにしよう(十分な分娩収入があるのだから)。」ということになります。
よく「新しい施設になったから治療費用も高くなったのではないか?」というご質問を受けます。これは開設当初に掲げた理念とは相反するものです。われわれは平成15年当時、治療費用を全国でも最も低額に設定いたしました。
今後も体外受精料金等の私費診察料の減額に努め、多くの方に低料金で最高水準の不妊治療を受けていただくことができますよう精進して参りたいと思っております。

ハードはいつも最新、最高のものをそろえております

良いと思った機器・物品の購入は積極的に行います

不妊治療の成績は残念ながら各施設で優劣があります。その成績を左右する最大の要因は各施設の設備よりも 医師、胚培養士、看護師のトータルでのスキルと患者様の妊娠能力であると考えております。つまり良い治療成績をあげることにおいてはソフト面がハード面よりも重要度が勝るわけです。
ところがソフト面はハード面に比べて少し不安定要素を含んでおります。それに比較してハード面(機器類、培養液、体外受精・顕微授精機材、胚移植カテーテル等)はその品質にブレがありません。われわれは行っております不妊治療を少しでも最高レベルのものに近づけたいと願っております。
従いまして、少なくともブレの少ないハード面に関しましては出費を惜しむことなく、現在得られることが可能な最高レベルの品質を有する機器、使用品の購入を行っております。

可能な限り生殖補助医療を使わない一般治療での妊娠を目指します

生殖補助医療と一般治療の両方で妊娠成立の可能性を探ります

生殖補助医療におきましてはソフト面ハード面ともに高い水準のものを皆様に提供しているものと考えておりますが、当センターの治療の基本はあくまでタイミング療法などの一般治療です。他施設で人工授精や体外受精、顕微授精による治療を受けられていた方においても、もっともシンプルなタイミング療法による自然妊娠の可 能性があるかどうか再評価いたします。たとえばFT カテーテルによる卵管再疎通の試みや排卵誘発剤の減量、子宮鏡などによる着床能の改善、腹腔鏡によるピックアップ障害の治療などを行います。
また、東洋医学(鍼、漢方)、運動療法などを用いた不妊体質改善により妊孕性(妊娠できる基本的な能力)の回復を試み、生殖補助医療と並行して行うタイミング療法におきましても自然妊娠成立を目指します。

治療の迅速性、計画性を大事にいたします

患者様に自身の診療内容を十分に理解してもらうことを重要課題としています

不妊治療で最も行ってはいけないことは漫然とした治療で貴重な時間を浪費することです。
これは医療サイドに大半の問題があるのですが、患者様にご自身の診療内容を十分ご理解いただいていないことにも原因があります。診療内容をご理解いただいていればおのずと「現在行われている治療は自分に合っていないのでは?」とか「次はこの治療を試みたい」など医療サイドに対する質問や提案が生まれてくる筈です。われわれは患者様からのこのような提案や質問を大事にしております。
このようなやり取りにより治療計画が引き締まって良質なものに成熟してくるからです。われわれは常に治療内容の説明に努め患者様に理解していただくことで、治療の迅速性および計画性を高め、妊娠までの治療過程において最短コースを探求します。

患者様のライフスタイルに合わせた治療を提供いたします

月一回の受診でも治療効果が得られます

勤務先で重要な立場で働いておられる方々が不妊治療のために仕事を休んで通院することは社会的に大きな損失です。また患者様にとりましても就労者としてストレスを感じられることと思います。われわれはそのことをよく存じております。
このため医療サイドから一方的に治療を押し付けることはいたしません。すなわちお仕事のスケジュールを聞きこれに治療計画を合わせる。いつもいかに通院回数を減らして効率的に治療が行えるかを考える。日々の注射など近医でできることはできるだけ外部に依頼する。夜間診察を充実させる。など患者様のライフスタイルに合わせた治療を心掛けております。
月一回あるいは2~3ヶ月に一回しか来院されない方におきましても状態の評価やタイミング指導、投薬などにより良好な治療成績が得られております。まずはどうぞお気軽にご来院下さい。

最高水準の男性不妊治療を提供いたします

男性不妊専門クリニックが施設内にオープンいたしました

旧不妊治療センターでは男性不妊外来を京大病院泌尿器科より非常勤医師を招聘して週一回土曜日の午後のみ 行っていました。このため患者様に通院の不便をおかけすることが多々ありました。
このたび新たに同施設(シンフォニア御池)内に以前より非常勤医師をしていただいておりました市岡医師がいちおか泌尿器科クリニックをオープンいたしました。これにより診療日が大幅に増え夜間診療も対応できるようになりご主人の通院の便が格段に良くなりました。
また、重度の乏精子症に対するMD-TESE や性生活におけるカウンセリングなどの診療も充実し、最新の技術によるきめ細かい男性不妊治療が可能となりました。

地域においての不妊治療の高次機関であるとの自覚をもって常に最新の医療技術を導入あるいは開発
し、コマーシャルベースで皆様に提供いたします

抗がん剤治療前に精子・胚および未受精卵子の長期凍結保存を行っています

若年者の悪性腫瘍に対する抗がん剤治療は有効である反面、精子や卵子は重大な影響を受け、枯渇してしまうケースも少なくありません。また治療には数年単位が必要で特に女性の場合は生殖適齢年齢を過ぎてしまうこともあります。
われわれは不妊治療センター開設当時より、抗がん剤治療前の方の精子長期保存を京滋で唯一の施設として行って参りました。現在も約100名をこえるがん治療中の方の精子が長期間凍結保存されています。また最近では初婚年齢の上昇に伴って血液がんや乳がんなどを発病し長期にわたって抗がん剤治療を受けられる未婚女性の方の数が増えております。
このような状況に対応するため以前より行っておりました胚(受精卵)の長期凍結保存に加え、技術的に困難とされていた未受精卵子の長期凍結保存を開始いたしました。これは東京新宿加藤レディースクリニックに技術供与を依頼、技術導入を行い実現可能となったものです。
この最新凍結技術により未受精卵子の半永久的な凍結保存が実現し、担癌未婚女性の遠い将来における妊娠・出産への希望を叶えることが可能となりました(当センターではすでに凍結保存未授精卵子による妊娠・出産成功例を経験しております)。
われわれはこれからも京都の地において皆様が最新技術による最先端の生殖医療の恩恵を受けることができますよう、現在氾濫しております生殖医療技術の正しい評価・吟味を行い、皆様のためになると思われる技術はすべて積極的に取り入れて参りたいと考えております。

主要施設の説明と設置に当たってのコンセプト

待合室での診察待ち時間は予約システム整備によりなるべく短時間となるよう心がけておりますが、プライバシーに配慮し快適な環境でお待ちいただけるように設計いたしました。

ご夫婦と主治医でお話ができるようになっております。内診室にもご主人の入室が可能です。モニターで子宮・卵巣の状態や胎児などを一緒にご覧いただけます。

高度生殖医療ユニット待合

ご主人や家族の方が患者様の帰宅まで比較的長い時間でもお待ちいただけるように設計してあります。

採精室(2室)

精液の状態は採取した環境により大きく影響を受けます。このため採精室の環境は不妊症治療の成績に少なからず影響を及ぼすといっても過言ではありません。このため採精室はご主人さまに十分な時間をとりリラックスして採精していただけるよう設計しております。

カウンセリングルーム(2室)

治療経過の説明や治療計画の話し合いなどを行います。主に胚培養士が胚の写真などの治療結果を提示して考察を行います。

胚培養室

施設の中で最も清潔度の高いユニットです。エアシャワー・陽圧換気やヘパフィルターの設置などにより手術室を凌ぐ空気清浄度を維持しています。胚を管理する培養庫(インキュベーター)は生殖医療の成績を左右する最重点機器と認識しており、絶えず最新鋭のものを導入してきております。顕微授精操作においては熟練性と迅速性が成績を大きく左右します。当センターは顕微授精装置(マイクロマニュピュレーター)3台を有しており、同時稼働により最適な顕微授精が可能となっています。ダイオードレーザーによる孵化補助法(assisted hatching)も行っています。

ホルモンアッセイ室

不妊治療に関する血中ホルモン値の測定には専属の臨床検査技師が対応しています。体外受精における採卵のタイミングや胚移植日を正確に決定するためにはリアルタイムの血液中ホルモン値測定が不可欠です。検査項目により違いはありますが採血後30分から最長120分で検査結果が診察室に届きます。卵巣のコンディションや妊娠経過の評価などにも活用され、診療時間中により詳しい情報の提供が可能となっています。

採卵室(2室)

採卵の際に重要視しているのは患者様の痛みを取ることと、安全に終了すること、そして卵子の回収率を上げることです。当院では採卵時の麻酔は十分量の静脈麻酔を用い痛みの除去に努めています。

静養室(12室)

採卵・胚移植後に休んでいただく個室です。快適に静養していただくためのベッドと寝具を設置しております。

ページの先頭へ